「1年後にも、研修で気付いたことが話題に出て来るって嬉しいですね。」カルビー株式会社 ~大切な会話を、大切に育む~

「新人一人ひとりと真摯に本気で向き合ってくれたからこそ、外国人の新人も含め、ゲーム感覚でこなすのではなく、自分の殻を破ってチャレンジしたのだと思います。 1年経った今でも学んだことを再確認しあっている、そんな研修が実現でき嬉しく感じています。」

2010 年、2011 年と2年続けて、学生から社会人へのスイッチを入れるための新人研修最初のプログラムとして、ToBeingsのビジネススタンス研修(シミュレーション付き)とビジネスマナー研修を導入して頂きました。 カルビー株式会社 人材開発課の菅原様と東様に詳しくお話を伺いました。

|ビジネススタンス研修導入の背景

ーどのような軸で新人の採用をされていましたか?

我々が採用基準で大切にしていることは大きく2つあります。1つは自ら考えて行動できる自立型人材かどうかということ。2つ目は、多様な価値観を持っている人たちと、関係を作りながら協働して仕事を進めて行けるかどうかということです。特に弊社は事業領域が広く、ビジネスを推進して行くためには様々な人と関わる必要があるため、人とのつながりを大切にしています。

今年の新入社員に関しては、成長意欲も高く、大学時代にも成功体験を積んでいる人が多いため、 自信を持っていた様子でした。何でも上手にそつなくこなせる、そんな印象でした。

ー現場では何が求められるのでしょうか?

配属されると取引先はもちろん様々な部署や関係会社の方々と協働して円滑に仕事を進めて行くことが求められます。特に社会に出たばかりの新人が、知識が豊富で人生の先輩である方たちと一緒に仕事をして行くためには、頭でっかちにならず、人として向き合って行けるような人間力が求められます。

また、弊社はこれからグローバルに事業展開を推し進めていくため、外国人との文化や価値観の違いを取り入れられることも大切になってきます。どちらにせよ、どんな状況であっても、自ら考えて、主体的に成果が出せる自立的な人材が重要であることは同じです。

どんな研修だったのでしょうか?

ー本研修はどのような位置づけでしたか?

弊社の新入社員研修は半年間に及びます。入社後 2 週間は本社での座学があり、その後全国各地にある工場での問題解決研修及び実習と、北海道で弊社製品の主原料である、じゃがいもの収穫と受入に携わる実習を行います。

長期間に渡る研修で、どれも非常に重要なものですので、我々としては、新人一人ひとりが自分で目的意識や課題意識を持って主体的に取り組んで欲しいと考えています。そのためにも、早い段階で学生から社会人へのマインドシフトすることが重要です。

そのようなことを考えていた時に ToBeings さんと出会い、弊社に合うプログラムをディスカッションしながら設計していきました。

ー具体的にどのような研修だったのかを教えてください

このプログラムは、講義パート・シミュレーションパート・振り返りパートの3つのパートから成り立っています。講義パートでは、どんな状況や環境でも成果を出し続ける社会人の習慣や特性を学び、シミュレーションパートでは 5 名 1 組を 1 つの会社に見立てた 「リアルな仕事の場面」という設定を作り、講義パートで学んだことを実践していく時間としました。そして、3日目はシミュレーションパートをビジネスマナーの観点も含めて振り返り、 “ わかる ”と“ できる ”の違いを感じながら学びを深めて行きます。

※本プログラムでは、1 日目、2 日目のシミュレーションでの受講生の行動を録画しており、3 日目は自分の実際の言動を見ながら振り返ります。

|なぜシミュレーションを通じたビジネススタンス研修だったのか

̶ 今回の目的やポイントを教えてください

先ほどもお伝えした通り、研修の目的は学生から社会人への行動様式のシフトでした。

こういった内容の研修は、頭で理解するだけではなく、学んだことを実践して、体験して身体に染み込ませることが大切だと考えていました。それが「リアルな仕事の場面」というシミュレーションを導入しようとした理由です。

また最近は、学生時代からディスカッションやプレゼンテーションを経験されている方が多いようです。それ自体は素晴らしいことなのですが、それがゆえに、実際シミュレーションをすると、学生時代の成功体験に基づいた自分のやり方や考え方の枠で“ こなそう ”という意識になってしまうことが想定されました。そこで、ゲーム感覚でシミュレーションを「こなす」、「本音を出さずに乗り越える」のではなく、自ら自分の殻を破っていく機会にできたら、と考えていました。これは、単に講師の方が受講生に厳しく接するだけでは解決できず、講師の方に我々の会社のことを理解いただき、「本気で一人ひとりの新人と向き合っていただく」必要があると思っていました。

ー受講生にはどのような変化が見られましたか?

3 日間の中で印象的だったシーンは、シミュレーションがうまく進まず、チームのメンバー同士が喧嘩に近い状態になった 1 日目の夜です。

その状況を予定調和的に解決するのではなく、お互いが深夜遅くまでとことん話しあって解決するという行動が自然に生まれていました。話し合っている内容を聴くと、「シミュレーションをどのように進めて行くか」ではなく、“ いままでどんな人生を歩んできたのか ”“ どんな想いでカルビーに入社したのか ”などを互いに話し合っていたことには驚きました。

また、研修が終わった後の熱気も凄かったです。研修終了の挨拶の後、誰ひとり教室を出ようとせず、講師の皆さんの前に行列や輪ができ、個別にフィードバックを貰おうとしていた姿は印象的でした。自分から学びを得ようというスイッチが入り、学生から社会人へと視座が上がり、主体的に成果を出そうというマインドが醸成されていることを感じました。できない自分に対して悔し涙を流している新人もいて、シミュレーションを「こなした」のではなく、「本気で取り組んだ」のだと思いました。

ビジネスマナー研修もToBeingsに依頼した背景

ー録画映像を通じて自分と向き合い、腹落ちして欲しいと思いました

ここ数年、現場の方から新人にビジネスマナーをしっかりと叩きこんで配属させて欲しい、という声があがっていました。ビジネスマナーはとても重要ですが、現場で働いた経験がない新人に座学研修だけでマナーの大切さや重要性を伝えることには限界があります。

そこで、今回は ToBeings さんと話し合い、シミュレーションパートを効果的に連動させるようにしました。具体的には、シミュレーション中に名刺交換や挨拶の深い意味を考えず、表層的に行っている新人に対しては、講師の方から「本当に相手を尊重しようとしているのか」、「なぜビジネスマナーが大切なのか」という観点で指摘して頂きました。

また、シミュレーションパートの様子を全てビデオ録画で記録し、自分たちの実際の言動(うまくいったこと、失敗したこと)を振り返りました。実際にやってみると、新人からは「ビデオで自分の姿を見るのは恥ずかしいし、痛い」、「ビデオを見ると実際の行動と、頭で描いていた自分の姿が全く違う」「見ていて全くできていないことに気づいた」などの発言が多かったです。

ビジネスマナー研修は、そんな自分たちの姿を見ながら学ぶ機会だったので、人から言われて気付くことに加え、自分自身で気付くこともできたと思います。

研修後、どのような変化が継続されましたか?

ー新人の皆さんがこの研修を通じて得たことについて教えてください

主体的に学び続ける姿勢です。

例えば、昨年の受講生と再会した時に、研修から 1 年が経った今もこの研修での気付きなどが話題に出ると聞きました。また、現場の人から聞くところによると、新人だからと甘えるのではなく、注意されたらその倍以上の成果を返そうとする努力が見られるという声を聞くことができたことも嬉しかったです。

また、仲間としての関係が深まり、その上それが継続していることでしょうか。本当に厳しく接して頂いたので、研修中に打ちひしがれた姿を見たりもして、最初は心配だったのですが、徐々にチームの結束が高まり、壁にぶつかっても、チーム内で変に遠慮するのではなく、本音をぶつけ合いながら、協力して解決策を導いていました。そんなチームでの取り組みを通じて、内定者時代の仲良しといった雰囲気から、刺激し合える同期同士という関係が出来ましたし、工場実習のために各地へバラバラになった後でも情報交換などが続いている様子です。そういった場で、この研修での内容を再確認し合っているようで、学びが継続していることを感じます。

さらに、外国人留学生とチームを組んでシミュレーションをしたことも大きかったです。弊社は、イノベーションを起こすためにダイバーシティを大切にしており、その 1 つとして外国人留学生を積極採用しています。今回も外国人留学生が複数名いました。多様な人間関係の中でも、しっかりと互いのこれまでの人生や文化、価値観といったところから知り合う、という実体験がこの時点で出来たことは、今後の仕事においても大切な経験だったと思います。根本的な価値観の違いなどがあったはずですが、シミュレーションでの結果が外国人留学生の有無で左右されなかった点は少し驚きでした。ここでの経験を通じて、研修後の現場実習でも、工場や農家の皆様のサポートを上手く貰いながら取り組んでいるという話を聞くことができ、安心しています。

ToBeingsをパートナーとして選んだ理由は?

ー前年度に引き続き、今年度もToBeingsをパートナーとして選んで頂いたのはどんな理由からでしょうか?

研修が終わった 1 年後でも、当時の新人からこの研修の話が出てきます。これは ToBeings の講師の方が、新人だからといって甘く接することなく、プロのビジネスパーソンとしてリアルに通用するかという観点で接してくれた本気さが、新人に沢山の大切な気づきやヒント、学びを与え、そして本人たちが確実に何かを得て、それが継続しているからだと実感しています。その実績や信頼があったからです。

ーToBeingsに依頼して良かったことはなんでしょうか?

良かった点は沢山あります。先ほどお伝えした通り、新人の多くが徹夜する程、この研修を自分ごととして取り組んでいたことや、最終日に全ての新人が個別に講師の方にアドバイスを受けに行っていたことは我々の想像を越えて成長してくれたことが目に見えて実感できたところです。

それに加えて、チームワークを創り出すためには、自分と相手の違いを知り、違いを理解し、統合して行くことが大切だということに気付かせてくれました。弊社はダイバーシティを大切にしているので、相手を深く理解することの大切さを体験できたことは大きかったです。

また、研修での学びを継続させるための仕組みを、単なる形式だけではなく新人研修全体の中で効果的な時期と内容で実施してくれたことも、長い目で新人を見てくれている感じがして嬉しかったです。

ー最後に、ToBeingsへメッセージをお願いします

毎年、弊社の要望通りプログラムをアレンジ頂いたり、本気で一人ひとりの新人と向き合って頂きありがとうございます。新人も自分の殻を破って本気で研修に取り組んでくれています。これからもよろしくお願いします。