「このワークショップを経ると、階段の様な成長ではなく、ワープの様な成長や変化が起こるんです。」ーマースジャパン

「弊社の新入社員は短いタイムスパンでの成長を目標として課せられています。いかに本質に早く気づき、自分の壁を突破し、成長していくかというスパンを短くする方法に重点を置いています。」

導入事例:マース ジャパン リミテッド 様

マース リーダーシップ プログラムと呼ばれる新卒育成期間をトータルで捉え、従来の「Doing」(やり方やスキルなど)ではなく、「Being」(あり方や人間性など)を開発していく様々なオリジナルプログラムを導入していただきました。その全容を、マース ジャパン リミテッド 人事部の方々に詳しくお話を伺いました。

マース ジャパン リミテッドについて

- マース ジャパン リミテッドの業態について教えてください

マース ジャパン リミテッドは、米国 マース イン コーポレイテッドの日本の拠点として 1976 年に設立されました。現在、マースがグローバルで展開するペットケア、チョコレート、食品など 6 事業のうち、ペットケア製品、スナック菓子製品、ドリンク製品の 3 つの分野で計 12 ブランドを展開しています。

マースは世界的なブランドの数々を創り上げてきた企業の一つで、非上場企業でありながら年商300 億ドル以上を計上しています。この成功の基盤にあるのは資金力だけではなく、たゆまぬ創造力と流行に対する鋭い直感です。これらが 100 年にわたってマースのビジネスを一歩一歩前進させてきたのです。

ー新卒育成プログラム「マース リーダーシップ プログラム」について教えてください

「マース リーダーシップ プログラム」とは、グローバルな舞台で経営の中核を担えるリーダー(以下、MLP)を早期に育成するために作られた、新卒社員向けの育成プログラムです。少数先鋭で入ってくる新卒入社の方は全員 MLP でキャリアをスタートします。このプログラムは、通常考えられているスピードとは異なる次元で、リーダーとして成長することを目指すものです。

プログラムでは、自分の能力を越えるレベルの仕事の挑戦や、過去の成功体験だけでは乗り越えられない課題が待っています。厳しいフィードバックや光が見えない困難な壁に直面することもあります。しかし、どんな状況においても、主体者としてリーダーシップを発揮し、自分ならではの新しい価値を生み続けること。プログラム参加者への期待はここにあります。

MLPの育成のコンセプトは?

ー全体を通したコンセプトなどがあれば教えてください。

新入社員が会社に入ってきて圧倒的に足りないと感じるのは、内省力と思考力です。

若い時に与えられる仕事は意外と、思考力が鍛えられる場が多くありません。徹底的に考え抜く必要がある仕事はそこまでなくて、どちらかと言うとやり方を体を使って覚えて行くということが多いのではないでしょうか。

入社1年目はそれでもいいのではないか、という話もあるのですが、今と昔は新人の置かれている状況や環境は違います。最近の新人達を見ていて思うのですが、「その仕事をやることにどのような意味や意義があるか」を重視する人が多く、意味をきちんと満たせないと不満を抱えてしまいます。

しかし、その不満が表層化しないので、我々にはなかなか見えません。従って、表向きは何も問題ないかのようにしっかりと仕事をするので、分からずに放っておくと、やる気を無くしていくか、離職を考え始める、ということが起きてしまいます。

ーどんなワークショップを探していましたか?

こんな状況に置かれているので、自分で学習して成長していける筋肉を早いうちから付けてあげるしか方法が無いと思っていました。

弊社の新入社員は短いタイムスパンでの成長を目標として課せられています。早く成長するためには、どれだけやってきた事から学び取れるか、その力に比例します。誰でも時間をかけ、体験を通じ、失敗の痛みを共に感じれば学び取れることですが、それをいかに本質に早く気づき、自分の壁を突破し、そこからの学びを活かして成長していけるか、このスパンを短くすることに重点を置いています。この点がレバレッジだと思っているので、内省することや、深く考えるというワークショップを 2008 年から今に至るまで、入社後の早い段階で入れてきました。

今の新入社員はとても優秀なので、効率よく仕事をこなすのですが、自分で考えずに仕事を表層的に進めているのが見受けられました。そうなると、仕事の本質的な面白さに気づけないし、成長スピードも遅くなってしまいます。従って、ワークショップを通じて、仕事の本質にせまったり、自分ごととして仕事を捉えられる様な時間を持つことが出来ればと思っていました。

具体的にどのようなプログラムを導入したのか

ー2008 年からこれまで、具体的にどのようなプログラムを導入されましたか?

MLP としては、2008 年秋に、1 年目の社員向けにビジネススタンス(含シミュレーション)を行いました。「Do」として仕事をこなすのではなく、本当の意味で仕事の目的を考える、周囲に感謝するなどができるようなあり方「Be」人間性を身に着けることが狙いでした。

2009 年秋には、1 年目の社員向けに「仕事の本質を考え抜くワークショップ」を行いました。彼らは仕事の目的を聞けばすぐさま答えられるのですが、どこか機械的で表層的な捉え方しかしていないので、本当の意味で主体的に仕事の目的や意義、本質を自ら深く考え抜けるようになってもらうことが狙いでした。

同じく 2009 年秋に、2 年目の社員向けに「多様な立場から観るワークショップ」を行いました。社内外のパートナーと調整をしながら仕事を進める機会が増えるなか、相手の立場を論理的にも感情的にも理解・共感し、関係者を巻き込むリーダーシップを発揮できるようにする狙いがありました。

2010 年は、MLP 合同で「内省力を高めるワークショップ」を半年間かけて行いました。問題や困難に遭遇したときに、自ら内省し、解決や突破の糸口を見つけるとともに、自分が押し殺している感情・想いにも気づきながら、リーダーとしての自分の芯や軸を内省することでパフォーマンスを向上させていくことが狙いでした。

その他、マネージャー向けにも様々なプログラムを行いました。


研修後、受講生にどのような変化が?

ーワークショップや、その後において印象的だったことは何でしょうか?

「仕事の本質を考え抜くワークショップ」のシミュレーションをした際に、ある受講生がとてもすっきりした顔で、「左脳で考えるだけでなく、右脳を使っていくことの大事さ、が初めて腹落ちした!」と言っていた時です。表情もまるで変わりましたし、あの大きな変化がすごく印象に残っています。

研修のテーマは決めるものの、受講生一人ひとりが抱えている課題や、突破できていない壁は違います。そこに ToBeings さんが一人ひとりに向き合ってくださり、その壁を乗り越えることをサポートしてくださったからこそ、それぞれの受講生が自分の壁を突破できたのだと思います。そして、3年間を振り返ってみると、本当に一人ひとりが変わったなと思います。

自分目線を中心に仕事をしていた人が、周囲や後輩の立場に共感を示しながら仕事をしていたり、人から批判されることを恐れて、鎧のように自分を守っていたものが少しずつ取れてきたり、完璧主義者で周囲に緊張感を与え続けていた人が、とても自然体のコミュニケーションになったりと。

ーそういった変化は、なぜ起きるのでしょうか?

人によって個人差はありますが、内省力や思考力を高めるワークショップを経ると、「Be」まさに「あり方・人間性」が変わるので、階段の様な成長ではなく、ワープの様な変化・成長が起こります。

自分が直面している壁を受け入れ、乗り越えることで、脱皮することができるんですよね。もちろん、脱皮する時には、これまで直面してこなかった過去の出来事に触れるような時はありますが、そういうことを話す安全な場があり、彼らがそれに向き合うという選択をすることで、そういった大きな変化が起こります。

その変化は、ワークショップ後に人事で実施するコーチングの場面で見えてきます。ものの見方やあり方が大きく変化している場合もありますし、もしくは、「何が怖くて、自分はガードを高めてしまうんだろう?」などと、その人の本質に触れるような問いが生まれていることが最大の変化だと思います。そうすると、コーチングの助けを時に借りながら、自分でそれを掘り下げていくことが可能になります。

自分の事を客観的に俯瞰できるようになっているので、ぎくしゃくしていた周りとの関係の絡まりが解け、スッキリしている様子も見受けられます。その結果、自分の情熱を向けるべきところに自分の意識を 100% 向けられる様になるので、結果としてパフォーマンスが上がるんですよね。

さらに、自分が完璧でなければいけないという恐れを手放して、素直に周りと話をできるようになったり、緊張感が解け、自然な態度で話ができるようになりました。

ToBeingsをパートナーとして選んだ理由は?

̶ どうして ToBeings に任せてみようと思いましたか?

その時々、その受講生によってニーズは異なります。そうすると、講師の方々が一人ひとりに向き合うことが大切になってきます。そこを ToBeings さんはしっかりサポートしてくれるので、継続してお願いをしています。

毎年、一人ひとりの受講生を丁寧に見てくれているので、ワークショップの後、人事として各受講生に対してどういうサポートをしていけば良いかを考える上でも、とても役に立っています。

ワークショップでは、個人が抱えている問題やそれを生み出すきっかけとなった過去に踏み込んでいく場面があるため、誰にでも頼める訳ではありませんでした。講師自身が自身の葛藤に向き合うということをやり尽くしている必要があると思いましたし、加えて、人に真摯で、ある種の愛情が無いと、個々人の葛藤に踏み込むことはできないと思っています。

また、本質的に何が大事かということの価値観を共有できていないとお願いできません。逆にそれを共有できているからこそ、各ワークショップの具体的なやり方や内容は、ToBeings さんに任せることができたのだと思っています。ToBeings さんはスキル研修をいかに巧みに教えられるかという話とはまったく別で、人を深く見て突破を生み出してくれます。

事前に設計したアジェンダに基づきプログラムを教えて終わり、ではなく、毎年その場に起こることに合わせて、その時にベストな対話やワークを瞬間的に生み出して下さるので、ワークショップ後に非常に大きい変化がみてとれます。受講生全員が自分の内面をオープンにさらけ出して対話するため、ToBeings の講師の方々と、受講生との信頼関係は、とても深いものになっています。

単にパッケージをカスタマイズしました、という会社様も多い中、ToBeings さんはその都度こちらが意図していることを 100% 汲み取ってくれて、それを元にしっかりワークショップを作り上げてもらえる。このことも安心して任せられるという信頼につながっています。

ワークショップ企画段階の打ち合わせにおいても、その場の状況を見ながらフレキシブルに相談しながら内容に修正を加えてくれるので、決められたことをやる人というよりも、共にゴールに向かうパートナーという感じがあります。本質的なところを押さえてくれるため、他社には無いワークショップを実施してくれるという信頼感もあります。

また、次年度の企画においても、前年度に実施した際、一人ひとりの受講生をよく見ていてくれているので、その観点からコンサルティングもしつつ、100% ゼロから作り、こちらが気づいていない観点も指摘してもらいながら共に創り上げていくことができます。

ー今後に向けて ToBeings に期待することはありますか?

新人の層だけではなく、上層部の皆さんもじっくりと物事を考えたりする機会が日々あまり無いと思っています。

日々の業務に追われ、内省する時間が無いと、学習する組織になりにくくなります。成果を出しているだけでは、リーダーとして不十分だという認識が弊社にはあり、思考力と内省力を身につけた新人の育成を通じて、徐々にマネージャーも成長しています。

しかし、これからは個々に集中するのではなく、組織として変わる必要がある、そんなフェーズに来ていると思います。自分が主体的にリーダーシップを発揮する意識に、年代は関係ないと思っています。ToBeings さんと共に、こういった組織の課題にも向き合って行きたいですね。