講座レポート|入門講座レポート【今ここから始まる組織進化の実践講座】

今ここから始まる組織進化の実践講座 入門

日程:2022年9月10日(土)〜9月11日(日)
場所:レクトーレ湯河原
(神奈川県足柄下郡湯河原町)

当講座がスタートしたのは2020年。ToBeingsはこれまでに、アデコ株式会社やヤフー株式会社を始めとする延べ100社以上の企業に伴走し、組織開発の支援をしてきました。これまでに培ってきた「組織がより良く進化していくための考え方や方法」を凝縮し、実践を交えながら心と身体もフル活動しながら味わっていただく唯一無二の場となっています。

今期は神奈川県・湯河原町『レクトーレ湯河原』にて実施し、2日間にわたる濃密な時間を過ごしていただきました。またオンライン参加を希望された方向けには、並行して現地と中継を繋ぐ形での受講も可能にしました。組織進化の基礎知識について解説した「事前動画」を事前に予習していただくため、「事前の知識がまったくない」という初心者の方にも安心。学び得た知識を活用しながら「人が変わる瞬間の心・カラダの動き」を体感していきます。この場では誰もが「実践者」。皆、自ら積極的に学ぼうとする空気に満ちていました。

組織進化:
ToBeingsが提唱している変革のアプローチです。ゴールもプロセスもない中で、その場を運営するファシリテーターが「道なき世界を行く旅路の案内人」としての役割を担います。ファシリテーターは明示的な役割を持っていますが、メンバーとともにその場で起こっている状況に気づき、変革の担い手となっていきます。1人ひとりの「ゴールのために、このプロセスを選ぼう」という意識が高まっていくにつれ、全員が変革の担い手へと進化する組織に変わっていきます。
ファシリテーション/ファシリテーター:
ファシリテーションとは、メンバーの活動がスムーズにいくように支援し、働きかけていくスキルのこと。ファシリテーターは、進化する組織の実現に向けて、課題解決を促進する支援者です。当講座では、組織内のメンバー全員がリーダーとして変革の担い手となる「組織進化」の実現に向け、目に見えないプロセスを掴んでいく方法を学んでいきます。
2020年からスタートした当講座ですが、過去2回はすべてオンラインで実施。3期目で初のリアル開催に挑戦しました。

合宿形式で行なわれた2日間の入門講座

開始から3期目を迎えた講座ですが、毎年、幅広い業界・業種の企業からお問合せをいただいています。キャリアも年齢も、そしてそれぞれの組織が抱えている課題もさまざまです。

【参加者プロフィールの一例】
・アデコ株式会社 事業本部長
・LINE株式会社 HRBP
・大手飲料メーカー 執行役員
・大手専門商社  執行役員 社長室長 
・大手エネルギー開発企業 人事マネージャー
・外資系生命保険会社 組織風土変革プロジェクトメンバー  他

普段は知り合う機会の少ない異業界の方々同士が交流することで、自組織の課題解決に新たな視点を持ち込む可能性も大いにあります。初日はまず、お互いについて知るための「ストーリーテリング」から始まりました。

ストーリーテリング(story telling)
今までの人生を振り返り、「今の自分を形作った経験」を1つ選んで語ります。話し手は思いつくままに、その時のエピソード・湧き上がってきた感情を再体験するように伝えます。特にオチや補足説明などは不要です。

聞き手は話し手の言葉を聞き、そこから感じた「その人らしさ」を伝えます。その人が存在する理由を感じ取りながら、エピソードを通じて共感した点についても語ります。

ここで語られるエピソードは、必ずしも「現在の職場での体験」とは限りません。幼少期や学生時代、新入社員時代に遡って振り返っていただいてもかまわないのです。そのため、相手の意外な一面を新鮮に感じたり、聞き手からのコメントを通じて新たな価値観に気づいたりすることもあります。

参加メンバーのほとんどは、つい先ほど顔を合わせたばかりの間柄。しかしこれまでの人生をともに振り返り、大切な個人的体験をシェアすることで、心の距離がぐっと近づいていきます。

「今の自分を形作った経験」とファシリテーションは一見、何も関係ないように思えます。しかし、自分が経験してきたことや大切にしてきた価値観は、ファシリテーターを務める際の行動・考え方の基盤になることが多いのです。

事前動画で学んだ知識を活かし、いざ実践へ

お互いの理解が進んだところで、いよいよ実践形式で学びを積み重ねていきます。組織開発を進めていくファシリテーターとして、自組織に現れている「場のサイン」をキャッチし、変化の兆しをつかむ練習が始まりました。

「事前動画」で学んだ組織開発の基礎知識を思い出しながら、チームごとに分かれてロールプレイに取り組んでいきます。参加者のみなさんの目は真剣そのもの。細かなセリフや台本はなく、設定が書かれたロールシートのみが渡されました。

ロールプレイ
「重要な決定について話し合う会議の場に、集まってきたチーム」という大まかな設定のもと、ロールプレイが始まります。各自に渡されたロールシートには、次のような記載があります。

・名前
・簡単なプロフィール
・この場にどのような気持ちで参加しているのか
・この場に集まって話し合う目的

このロールシートを参考にしながら、5〜6名のメンバーで進めていきます。

まずはこうした設定を読み込んで、「自分に与えられた役(ロール)」をその人になりきって考え、感じ、発言していきます。どのような反応をするのかはもちろん、言葉づかい、表情まで考えながらチームでの練習がスタートしました。

過去の自分の気持ちを思い出し、思わず体が縮まって息苦しくなる方。反対に、居心地の悪さを感じて笑いを取ろうとしてしまう方。怒りの感情が突如、湧いてきた方──役になり切ることで、「人は、人との関係性の中で生きている」という当たり前の現実が突きつけられます。

さらに自らコミュニケーションスタイルを変えてみることで、相手との関係性が変わっていく様子をリアルに実感できた方もいました。ただ役柄を演じるだけでなく、「役になりきる」ことで普段は理解できないと思っていた若手の気持ちや、遠い存在だった上司の想いが少しずつ感じられるようになっていきます。実際の職場をイメージしたリアルな設定の上で進むため、「社内で似たような場面に遭遇したことがあります!」との感想も出てきました。

ロールプレイに没頭し、今ここから、皆で場が変わる瞬間を味わった1日目。終了の時刻を迎え、実践練習は翌日へと持ち越されました。

体で感じて習得する「組織進化ファシリテーション」

早朝から爽やかな晴天が広がります。心地よい風に吹かれながら、遠くの青い海を眺めました。

翌日の湯河原町は快晴。早朝から心地よい風が吹き、参加者の方々と散策を楽しむ時間もありました。2日目も引き続き、ロールプレイを通して実践を繰り返します。

前日から皆さんの様子を見守っていたToBeings橋本によるファシリテーションのアドバイスを受けながら、働きかけによって、それぞれの人の感情や身体感覚が変化していくプロセスを少しずつ紐解きます。昨日と同じグループ内でロールを交代したり、違った角度からのアプローチでコミュニケーションを取ってみたりと試行錯誤するうちに、少しずつ「気持ちの変化」に気づけるようになっていきます。

ファシリテーターとは、会議を滞りなく進め、結論を導いていく司会者──そうしたイメージを描いている方も多いでしょう。しかし、ファシリテーターが話し手のちょっとした表情や仕草を感じ取り、声をかけていくことで話の流れはガラリと変わってしまうのです。参加者それぞれの持っている想いに焦点をあて、発言の背景にどのような意図があるのか。そこに関心を持つことで、場の雰囲気は大きく変わっていきます。ファシリテーターはそうした重要な役割も担っているのです。

「最初は上司に意見するなんて、できそうもなかった。声も出にくい感覚があった。しっかり聞いてもらえていると感じられてから、安心して自分の意見が出せた」など、その変化の様子を具体的に言語化。メンバー同士でじっくりと、変化を味わい、体感覚へと落とし込みました。

今ここからが、本当の変革のスタート

2日間にわたる入門講座が無事に終了し、振り返りの声が寄せられました。

参加者からの声 ※一部を編集し、紹介しています。

人生のシーンを振り返り、「元気の源に触れた感」がありました。また、ロープレでは普段の自分の特徴、振る舞い(やばそうな時はガードを固めて相手と会話。調子に乗ると相手の意表をついて笑いを取りたくなるところなど)が出ていたなど、メンバーの皆さんからフィードバックをいただいて気づき、ゾッとしました。【Nさん】

ストーリーテリングは、関係の質を高めるにはやはりすごく効果的だという気づきや、ロールプレイをシーンを切り取って何度も試してみることで、体感からの気づきの多さも大きな発見でした。癖ですぐに陥ってしまう問題解決モードにならないように常に自覚的でありたいと思うのと、発言の裏の願いを常に気にしつつ(シグナルを気にしつつ)、人や組織と関わっていってみようと思っております。【Sさん】

本気で向き合うとどれだけ難しくて奥深いものなのかロールプレイを通じて実感しました。(だからこそ、学びへの興味も高まりました)ファシリとしての場の進行に囚われすぎず、場の空気も感じることの重要性に気づいたとともに、今日から仕事ではまたオンラインが中心になるので、オンラインでどのくらい感じれるのかは、ちょっともやっているポイントです。【Oさん】

ロープレで心拍数マックス。講座の本気度を知りました。その後の振り返り、フィードバックでは自分の弱点と向き合い、「小手先では通じない!」と感じました。同期の皆様の学びに対する熱量、バックグラウンドの多様性、考え、発言にはいちいち刺激があり、これからの4ヶ月をともに過ごせることが本当に楽しみです。【Yさん】

オンライン実施による本講座では、「組織変革を捉える感覚」をより深め、組織進化の探求を続けていきます。しかしながら、講座はあくまで「組織変革のエッセンス」を学ぶ機会にすぎません。自組織に学びを持ち帰り、さらにブラッシュアップして実践いただくことが本当の始まりなのです。

最後は全員で記念撮影。オンライン参加だったメンバーも一緒に入りました。次は各々の組織での実践が待っています。

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