【第2期参加】まずは場が変わる瞬間を「感じる」。組織活性に必要なスキルよりも大切な実践知を学んだ

昨年9月より4ヶ月間にわたって開催された「今ここから始まる組織進化の実践講座」。合宿形式による入門講座、さらにオンライン形式で学ぶ本講座を通じて得た学びの変遷について、お話を伺いました。

LINE株式会社

HRビジネスパートナー2チーム

大橋 甫

組織をより良くするためにHRBPとして対話を続けてきた

──普段はどのようなお仕事をされているのですか?

LINE株式会社でHRBP(Human Resource Business Partner)をしています。
※HRBP/経営者・事業責任者のパートナーとして、人事戦略を通じて事業成長を支えていくポジション。

組織や事業の目標を実現していくためには何が必要なのかを考え、担当する組織のリーダーと対話しながら、人事の立場からサポートする仕事です。「これをやります!」といった明確な業務はあまり決まっておらず、人事に関することであればどんな内容でもアプローチしています。

この仕事の醍醐味は、人事の色々な役割の中でも特に「事業」にフォーカスした関わりができることです。事業リーダーや経営陣 もしくは エグゼクティブと一緒になって、関係性の中で仕事をしていくのは難しさもあります。だからこそ、やりがいも感じています。

上司に勧められて講座に参加。最初はモヤモヤも感じていた

──当講座を受けようと思ったきっかけは?

上司からの提案がきっかけではありましたが、講座内容を見て「ぜひ受けてみたい」と思いました。組織は「個の集合」。個人が変われば、最終的に組織も変わっていくと感じています。2年ほど前から心理的資格を取って学んだり、元々1on1が好きだったりして、個へのアプローチを楽しみながら学んでいました。しかし、「組織開発」については確かに勉強したことがなかったなと。そのため「どういう感じなんだろう?」と興味を持ちました。

昨年、同じ講座を受けた方が同じHRBPメンバーにいて、「こういうことを学んだよ」と私たちのチームに紹介してくれたのですが、最初は正直ピンと来なくて。「難しそう」というのが第一印象でした。

事前動画や講座内で解説している内容を聞いて、頭ではなんとか理解できる。ただそれを、現場で実践するとどうなるんだろう…そんな思考を巡らしていました。特に入門講座で行ったロールプレイでは、モヤモヤした気持ちでいっぱいでした。

自分は、頭の中の考えを言葉や行動に出して理解を深めていくタイプです。「これって、こういう意味かな?こう振る舞えばいいかな」と試行錯誤しながらロールプレイをしましたけど、なんだか分からない。「ここから何を築くのだろう」という不安な気持ちがあったように思います。とは言え、その不安も少しずつ取り除かれていきました。

スキルよりも、場や自分自身に対する「気づき」が何よりも大切

──講座を通じて印象に残っていることはありますか?

与えられた機会を最大限に活かそうと思って参加しながら、途中でふと気がついたことがありました。それは、自分よりも視座の高い参加者の皆さんから、率直なフィードバックをいただく貴重な時間だと気づいたんです。普段、自分のファシリテーションについてフィードバックをもらうなんて、あまりありません。どんな意見でも安心・安全にその場に出せたので、今振り返ってみても「どうやってその場を作っていたんだろう」と。

他の参加者のファシリテートを「自分だったらこうやるかな」と考えながら、真剣に見たり、ToBeings代表の橋本さんのコメントを聞きながら、「自分の感覚と一緒だな」とか「そこまで見ているのか」と感じられたのは、とても印象深かったです。学んだことを実践していくと、「今この瞬間なんだな」「こういうことなんだな」が少しずつ掴めたような気がします。

──大橋さんにとって、この講座の魅力は何でしたか?

入門講座は合宿形式で2日間、本講座は隔週でオンライン参加です。忙しい仕事との両立は、私だけじゃなくて皆さんも大変だったと思うんですね。一方で、日々仕事に追われていると、仕事以外のことを考える時間が、だんだんと少なくなっている中である意味強制的に『隔週・2時間半』参加することで、自分自身と向き合い、自分自身を見つめ直せたところは、大きな魅力でした。自分と仕事、さらにスキルについても見つめ直すいい機会になりました。

でも一番の魅力は、単純に「これが身に付きます」という簡単な話ではなく、もっと上のレベルが身に付く期待感があります。例えば「半径2メートルの人たちと一緒に変わっていこう」としたら、スキルよりも前に「気づき」が必要だと思うんですね。スキルよりも、そうした「気づき」をまず体感することが大切だと思っています。

学び終わった後も、アルムナイコミュニティflameなどで継続的に振り返る機会があるのも、良いなと思っているポイントです。心の繋がりも感じられましたし、皆さんに私自身の視座も引き上げていただいた感じでした。

考えすぎずに、ありのままを楽しめるようになってきた

──講座を終えて、ご自身の中で何か変化はありましたか?

新卒入社した会社ではアーティストのマネージャー、その後社内異動で人事とキャリアを重ねてきたのですが、常に自分の意志だけでは決めきれない環境で仕事をしてきたんですね。アーティストの意志あるいは、会社の意志があった上で、「プロとして今のポジションでどう振る舞うか」を自分なりに考えて決めていくというか。自分だけではない、別の主体との関係性の中で、仕事をしてきました。だからずっと、一歩引いた視点で物事を見てきたと思います。

しかし講座を通じて、あまり考えすぎなくても良いのかなと感じるようになりました。ありのままその場にいて、向き合う。「こうした方が良いのか」と悩まず、その場を楽しむというか、向き合ってとことんやる。その結果、講座の2時間半の中で、「今日は何をやるのかな?また、やっちゃおう」と楽しめるようになっていったのは、自分にとっての大きな“変化”でした。

そして改めて、HRBPの仕事が好きだと実感しました。今までの学びは、これからきっと仕事に活かされてくるでしょう。HRBPだからこその「関係性の中で仕事をする」という役割は大変ですが、やっぱり面白いですね。

個へのサポートを大切にしながら、組織活性化につなげたい

──これからさらに探求したいことはありますか?

もうすぐ40代に突入するので、いろいろと考えるタイミングです。ただ「個へのアプローチ」を大切にしたいという気持ちは、変わらないですね。

講座を受けて、組織とはいえ個々に対するアプローチは、やはり大事だなと思いました。
具体的なプランがあるわけではないですが、人事として「人に関わるサポート」を続けたいと思っています。個人がより良くなるサポートができれば、自分にとっても一番幸せです。

──当講座はどのような方におすすめしたいと思いますか?

「すでに組織の活性化のために実践されていて、悩みを持っている方」が一番当てはまるかな。関係性に苦労している方であれば、同じ悩みを持つ仲間と、立場に関係なく話せる素晴らしい機会になると思います。

私は以前から「人と人は、どうすればうまくいくのだろう」と常に思っていました。講座の内容はかなり難しかったですが、人間同士の関係性に興味関心を持っていたので、とても面白かったです。

今までは我流で勉強していましたが、アカデミックな解説と実践、質疑応答を踏まえて学べました。そういう意味では、なかなか味わえないチャンスに巡り合えたと思っています。

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